ワンルームマンション投資について思うところ
2018/02/19
今日はちょっと趣向を変えて、ワンルームマンション投資について書いてみたいと思います。
ワンルームマンション投資といえば、まさにバブル期の代名詞のような感じですが、ここ最近は年金不安を解消する手段としての売り込みが多いみたいですね。
いつの時代でも新築ワンルームマンションの売り込み電話というのは、上場企業の方や公務員の方のところの職場にかかってくるらしいですけど、きっと会社や自治体で配布している組織と役職の記載されている社員録みたいなものが売買されているっていうことなんでしょう。
平成バブル期の投資用ワンルームマンションの売り込みストーリー
バブルの頃のワンルームマンション投資というのは、いわゆる新築ワンルームマンション投資のことでした。
その売り込みストーリーといえば、
1.お金がなくても借入で購入できる
2.ローンの返済の大部分は家賃で賄える
3.月々数千円の支払いで将来はワンルームマンションという資産が作れる
4.ローン返済と減価償却などで赤字になった分の税金が戻ってくる(還付)
5.不動産は、将来的に確実に値上がりするので売却時に儲かる
っていうストーリーでした。
これ、1~4については、今でも新築ワンルームマンション投資業者のうたい文句になってますし、昨今のマンション価格の上昇っぷりから5番目の「売却時に儲かる」なんてなことも耳元でささやいている業者さんがいるみたいです。
新築ワンルームマンション投資が儲からない理由
私のお友達の中でも、この新築ワンルームマンション投資に手を出して、月々の赤字がなんだかな~と思っていて、でも、よくよく勉強してみたら決して得する投資じゃないことが分かり、この新築ワンルームマンション投資のマイナスをリカバリーするために安い中古の一棟モノアパートを複数棟購入して、今では余裕の不動産投資家さんになっている、なんて人もいらっしゃいますが、基本的には新築ワンルームマンション投資は儲からないと思います。
その理由はとても簡単で、新築マンションには販売時には新築バイアスといいますか、広告宣伝費だったり、営業人件費だったりと余計なコストが、その価格に反映されていますし、日本の不動産市場では、一度、誰かが登記をした「中古マンション」となるとガクんと価格が値下がりするからなんです。
まず、新築バイアスがかかった新築価格で購入して、30年以上の長期ローンを組んだとしても、毎月の返済額と入ってくる家賃を比較すると返済額の方が高いという事象がほとんどです。
また、仮に返済額の方が家賃よりも低くなったとしても、保有しているワンルームマンションには建物管理費と修繕積立金が必要となりますし、毎年、固定資産税という税金も徴収されます。さらに火災保険にも加入しておかないといろいろなリスクをカバーできませんし、入居者が入れ替わるタイミングでは壁紙を新しくしたり、フローリングを補修したりといったリフォーム費用も必要になります。
おまけに入居者によっては、家賃を滞納して夜逃げしゃうなんてこともありますからね。
ローンの返済金、建物管理費と修繕積立金、固定資産税、火災保険といった最低限必要なコストと入ってくる家賃を比較すると、もう完全に新築ワンルームマンション投資は割に合わない赤字事業ってことになるんですよね。
やっぱり、一番金額の大きい新築ワンルームマンションの購入額が高いというところが一番の元凶でして、決して人にお奨めできるような投資手法じゃないんですよ。
ワンルームマンション投資は全てダメなんでしょうか
「じゃあ、あなたはワンルームマンション投資を全否定するわけですか!?」と聞かれると、決してワンルームマンション投資を否定するものではないんです。
結構、悪くないんですよ、ワンルームマンション投資って。
だって、私もワンルームマンションを持ってますし、十分にワンルームマンションで投資の恩恵を受けてますから。
ただ、私が持っているワンルームマンションは、「新築」じゃなくて「中古」のワンルームマンションです。
それもバブルの頃に新築で購入した人達が、もう嫌になって手放す、とか、やっと融資残額と売却額がトントンになる段階まで到達した、っていうような中古のワンルームマンションです。
もう新築の時から比べたら、「ホントにこんな値段になっちゃうの!?」っていう感じだと思いますけど、ワンルームマンションなんかは築20年ぐらいするともうそれ以上は値段が落ちないレベルまで価格がこなれてくるんですよね。
どんなレベルかっていうと家賃収入から計算して、首都圏で表面利回りで8~10%前後ぐらいです。
(東京23区内とか横浜駅あたりまでであれば、もっと低くなると思います。)
このくらいになるともうワンルームマンションであっても値下がりはしてこないんです。
価格がこなれた中古のワンルームマンションを上手に買えば全然OKなんです
投資用の不動産ですから、少なくとも首都圏では表面利回り10%までになってくると築40年を超えて来ても買う投資家さんはいるんですよ。
例えば、都内築40年の16.5㎡の3点ユニットのワンルームマンションでも、家賃6万円が取れるモノであれば、年間70万円の収入ですから700万円ってことです。
そんな700万円のワンルームマンションを購入するにあたって、自己資金を価格の1割、70万円を自己資金として入れて、630万円を仮に年利3%、返済期間20年で融資をしてもらって購入すると毎月の返済額は約3.5万円になります。
そこにマンションの建物管理費と修繕費が1.5万円かかるとして、火災保険が年間5万円、固定資産税が5万円ほどかかったとしても年間コストは52万円です。
とすると、年間72万円の家賃収入があって費用は52万円、差し引きで利益が20万円ですから、頭金70万円と購入時にかかる各種諸費用を30万円として、トータルの投資額(自己資金額)100万円に対しての利回りは20%になります。
もちろん、入居者さんの退去や入居募集にかかる広告費用なんかもありますから、ざっくりトータルでは年間10万円の利益をアベレージと考えても、まあ悪くない投資なんじゃないかと思いますがいかがでしょうか。
中古ワンルームマンション投資の実例、私の場合
私の具体的な実例を申し上げますと、ワンルームマンションは3戸ほど保有しています。
それぞれの場所(最寄駅)と購入額と築年数と頂いている家賃を申し上げると、
1.目黒区(都立大学)・1450万円・平成12年築・家賃11万円
2.横浜市(青葉台)・540万円・平成3年築・家賃6万円
3.横浜市(綱島)・340万円・平成4年築・家賃5.4万円
という内容です。
購入した時期が2010から2011年ですから、リーマンショックの後遺症がまだまだ色濃く残っていた時期ですし、それなりに勉強して普通よりも安く購入できてはいますけど、結構、いい感じで運用できています。
それに横浜市の2つのマンションは、残債を一括返済してしまおうと思えばいつでも返済できてしまうぐらいに返済が進んでますから、そのままマンションの管理組合が「建て替えましょう」って言い出すまで、とことん家賃(もちろん下がっていくでしょうけど)を頂くこともできますし、売却して利益確定をすることもできます。
まあ、随分とエラそうなこと言っているつもりはないんですけれど、ワンルームマンション投資も「新築」じゃなくて「中古」をそれなりの価格で購入できれば、十分、良い投資になると思っています。
中古ワンルームマンション投資で投信の積立(ドルコスト平均法)と貯金を両立してます
実際、これらのマンションも融資を使って購入してますから月々の利益額っていうのは1戸につき2万円から4万円ぐらいだったりはするんですけど、3戸あるとちょっとしたおこずかいといいますか、投資用の自己資金が毎月補充されていくような感じでもあるんです。
私の使い方としては、毎月5万円をノーロードのインデックス投資信託の積立に回していて、残りはキャッシュで銀行の口座に残すようにしています。何か突発的な費用が必要になった時にでも安心できるように、というためです。
ドルコスト平均法でのインデックス投資とキャッシュの積み上げの両立です。(エッヘン)
23区内であれば、現在ではワンルームマンションの建設規制なんていうもののおかげで、バブル時代のワンルームマンションに優位性が出てきていたりもしていますし、木造アパートの1Kに比べれば、全然、入居付けは楽なんですよ。
もちろん、中古のワンルームマンション(ワンルームに限りませんが)を買う時のちょっとしたテクニックや留意点なんていうのはあって、中古で多少安ければなんでもいい、っていうわけではありません。
ただ、ワンルームマンションからの利益をドルコスト平均法でインデックス投資と貯金の両立を実現できています(結構、ママ友からは羨望の眼差しです)ので、投資手法のひとつとして検討してみる価値は十分にある、ということを、本日の結論にしてみたいと思います。
ワンルームマンション投資について思う所をつらつらと書いてきましたが、この記事に人気があるようであれば、中古マンション投資や戸建、一棟アパートなどの不動産投資についても書いてみたいと思います。
にほんブログ村
株主優待ランキング